パンデミックの爪痕
いまも続く、うつ、引きこもり、他者嫌悪
コロナ・パンデミックでは、「ひきこもり」が急増したという。2022年に内閣府が行った調査によると、15〜64歳の「ひきこもり状態にある人」は約146万人。2018年の前回調査の115万人からわずか4年で約30万人に増加。国民の50人に1人がひきこもりという計算になる。「社会的ひきこもり」研究の第一人者である斎藤環氏は、パンデミック下で不登校や失業が急増したのに加え、適切なサポートにつながらず多くの人々が引きこもりに移行し、現在も苦しんでいると指摘する。
一方で斎藤氏が危惧しているのは、コロナ禍で人々に生まれた「他者嫌悪」の心理。「3密回避」のため人と距離を保つことは医学的要請であったが、それが「感染者は非道徳的」という倫理観につながり「自粛警察」が登場。他者への不寛容さが、現在みられる「ヘイトスピーチ」や「移民排斥運動」の意識につながっていると分析する。
コロナパンデミックの爪痕は、人と人とのつながりが急速に変容していく社会に、どのような影響を及ぼしているのか。話を聞いた。